最近の“読んだ”

桐島、部活やめるってよ

桐島、部活やめるってよ

同じ高校に通う生徒たちを主人公としたオムニバス。
肝心の桐島自身の話はなく、「部活辞めたらしいよ」という噂でしか出てこない。
描き方が面白い。




ザ・万遊記

ザ・万遊記

マキメさんのエッセイ第2弾。
『建物探訪』の渡辺篤史について熱く語っておられます。
どうでしょファンでもあるらしく、洋ちゃんのモノマネもほめてました。




骸骨ビルの庭(上)

骸骨ビルの庭(上)

骸骨ビルの庭(下)

骸骨ビルの庭(下)

大阪・十三にある老朽化した骸骨ビルの立ち退きにやってきた男と、
そのビルである男性二人に育てられた戦災孤児だった住人たち。
彼らには簡単に立ち退けない理由があった。



八月の犬は二度吠える

八月の犬は二度吠える

京都の予備校で知り合った仲間たちの24年ぶりの「八月の犬」計画。
大文字に「、」を付けて「犬文字」にするって話、なんかの小説にもあったな。




ねうちもん京都 お金をかけずに京めぐり

ねうちもん京都 お金をかけずに京めぐり

京都人であるグレちゃんによる京都観光案内。





向日葵の咲かない夏

向日葵の咲かない夏

これはミステリーホラーとでも言うのかな?
あまり得意な話ではなかった。





ほぼ日ブックス#006 石川くん

ほぼ日ブックス#006 石川くん

石川啄木って美しい短歌をいっぱい残してるけど、
学生時代はカンニングしたり、奥さんと子供を田舎に残して仕送りしなかったり、
浮気したりと結構なろくでなしだったみたい。
その人となりを照らし合わせて短歌を読んでみると新しい解釈ができる。





乳癌百話

乳癌百話

乳がんについて100の項目に分けてわかりやすく書かれたもの。
「あとがきにかえて」で書かれた詩がとても優しくて涙が出た。
本当はいけないんだけど、あまりにも素敵な詩だったので・・・



「乳癌という旅」 
これはこれは、遠路はるばるようおいでくださった
さあさどうぞ、中に入ってくださんせ



長旅で足も疲れたべな
座布団当でで、足崩して
身体もすっかり冷えでしまって
何のおもてなしもできないども
囲炉裏のそばであったまって、お茶っこでもどうぞ



旅の道のりはどうでしたが?



山あり谷ありでしんどかったべな
峠を越えるまでが一苦労
だども越えてしまえばそれまでの苦労も懐かしぐ感ずるもんです



旅の魔物は自分の中にひそんでいる不安だ
ああでもないこうでもないど考えでいるうちに
どっちに向かったらいいのかわからなくなって
そのうち日が暮れでくるべ
あだりは真っ暗で化けもんが出てくるんじゃねえがど思って
足すくんで
鳥の羽ばたきも蛙の声も腰が抜けるほどびっくらこいでしまって
なんもかもがいやになって
真っ暗な中で子どものように泣きじゃくってしまうべ
そんなどぎ提灯一つあればどんなにが心強いが
手ぇ引いてくれる土地のもんがいればどんなにが頼もしいが
行く手に家の明かりが見えればどんなにがほっとするが



ただひとりがむしゃらに突っ走って
あっちさぶつかり、こっちさこけで
気がつがないうちにあっちこっち擦りむいてあざ作って
そんでも峠越えるころには空が白じんできて
はっと我に返ってみれば
帯が解けてるのとか、わらじのひもが緩んでるのとか
自分の間抜けな姿に思わず笑ってしまってな



峠のてっぺんに立ったときには日の出だ
まぶしいお天道様、思わず手ぇ合わせて拝んで
来た道振り返ってみれば、なんともはぁ穏やがで
こんなきれいな国に生まれ育ったんだなぁ
これから行くどご見でみれば
何もかもがまぶしくて、今まで見だごどのない美しさ
おれの2つめの人生がこれから始まるんだなーって
旅は長くつらく厳しいけど
なんかおれだちに教えてくれる気がする
おれはできるんだ
人生はまんざらじゃないんだって



そしていづが
旅の途中で足すくんで泣いてる子がいれば
おれが提灯持ってやるべ
おれが道案内してやるべ
おれが一緒にいでやるべって
知らず知らず偉そうなごど言えるようになるんだな



まあま、おればっかり話してしまった
旅の話聞かせでけれ
いいこと悪いこと全部聞がせてけれ
囲炉裏で身体あったまって、お茶っこ飲みながら
百も二百も聞かせでけれな



夜は長いがら・・・・・